2009年3月7日土曜日

独り言

近年、大卒新人離職率がどんどん高まっているそうで、特に入社してから三年以内の離職率は35%にも及ぶそうだ。折角頑張って大学を卒業して就職したのになんてもったいないと思うのだが、その原因は何なのだろうか。我慢出来ない若者が増えた、転職市場が拡大した、自分の希望と会社のミスマッチ、原因は色々あると思う。でも若者が会社を辞めたくなる理由も分からないでもない。問題なのは年功序列や終身雇用制度が崩壊して、成果主義が導入された事。成果主義自体は本来はとても良い制度だとは思うが、しかし日本で行われている成果主義はあくまで裏には年功序列があり、本来の成果主義が行われていないそうだ。実際海外では20代で何千万と稼ぐ若者も居たりするが、日本ではそれが圧倒的に少ない。結局日本の会社においては、成果主義と言えども上の役職の人がそのポストを退かない限りは、若い人が幾ら成果を出しても上のポストに就けなくなっているのだ。それに幾ら才能のある人でも若いうちは責任のある仕事はほぼ任されないので、成果主義を充分に生かす事が出来ない環境も多いのだと思う。そんな訳で現在の20~30代の人達は、親が貰っていた程の給料など到底貰える事は出来るわけも無く、大半の人がある程度の給料で頭打ちになるそうだ。

本著においてはそれ以外の問題として、非正規雇用の問題も挙げている。同じ仕事をしていてもアルバイトや派遣社員は、正社員の半分位の給料しか貰えない事もあったり、何かがおかしい。派遣社員などを多く雇う事で一時的には支出の削減が出来るのは間違いは無いが、結局それで正社員が減る事で技術の継承が出来なくなる事を本著者は指摘しているのだが、企業の上のお偉いさんはそんな事にさえ気付かないのだろうか。いや、気付いていても、彼らは社員よりも株主の方しか見ていないので、自分が社長である時にどれだけ黒字を出す事しか考えていないのだろう。そもそも新卒しか正社員として取らない日本の会社自体がおかしいのだが、それは結局年功序列制度が隠れて残っている証拠なのである。ちなみにこの派遣問題が少子化に直結しているのは、言わなくても分かるであろう。日本政府が本当に国力を増強したいと思っているのであれば、派遣社員の待遇を改善するなり正社員を増やすなどしない限りは、少子化の流れは変わらないのが目に見えている。

勿論働く側の意識の改善も必要である事は、本著でも述べられている。給料だけに囚われずに何の為に働くのか、どんな事をしたいのかなど、しっかりと目的意思を持つ事が重要であると書かれている。実際それは100%正しい事であるし、出来るのであれば自分もそれを実現したいとは考えている。しかし現実的にそんな事が出来る位の実力がある人は極少数だし、そんな人ならば自分で起業してるんじゃないかと思ったりもする。なので本著では今の会社に不満があるからと言ってすぐに転職を勧めている訳でもない。結局漠然とした不満程度で現在の会社を辞め、他の会社に転職したとしても同じ問題は大概出てきてしまうからだ。だからしっかりと明確な目的を持って生きるべきだと述べていたのだ。一度転職をして年功序列のレールを降りてしまうとそのレールに戻るのは難しいので、給料が安くても良いから終身雇用が大事なのであれば転職をしない事もOKなのである。

とまあなかなか興味深い本であり面白いのだが、実際読んだ後の焦燥感と言ったら…。今の20~30代の若者にとって、こんなに後先暗い未来しか待っていないなんて考えたら、そりゃだれでも仕事なんかしたくなくなるわな。政治家や老人に自分達の給料を搾取され続け、奴隷として生きているのと俺らは変わらないのよ。だから俺はこのブログでも何度も書いているけれど、取り敢えず選挙は行っておけと口を酸っぱくして言ってる訳。自民党から他の党に政権が変わったとしてもすぐに現状が変わる訳じゃないのは分かっているけれど、それでも選挙に行かない事は自分の未来を捨てている事と同義なのさ。自民党は自分達の票が欲しいからお年寄りの為に有利な政治を行って、選挙に来ない若者からはいっぱいお金を搾取している。俺達の世代より稼いでいたお年寄りをそんなに保護したって、言い方は悪いけどもう死ぬだけなんだから意味ないでしょ?これからを担う若者から搾取したら、内需壊滅すんのは目に見えてるのに。そんなんでいいのかな、みんなは?だからレジスタンスを行わなければならない、その一歩が選挙なのだと思う。と言う訳で選挙に行って欲しいと思います、当たり前の事を当たり前の様にすべきなのだ。

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